演題:「持続可能な組織と社内政治」
「社内政治」という言葉は、根回しやゴマすりといった行動を連想させ、しばしば「不要なもの」さらには「会社における諸悪の根源」とみなされます。しかし、社内政治をそのような個別の行動のみに基づいて評価したり、その負の側面のみに目を向けたりすることは、マネジメントの本質から目を背けることでもあります。本講演では、社内政治を「利害や価値観の異なる人々を束ね、組織を目標へと動かすための一連の働きかけであり、マネジメントの中核を成すもの」と位置づけます。会社は一枚岩の主体ではなく、限られた資源をめぐって多様な利害が交錯する場であるため、本来的に政治的な性質を持ちます。社内政治は、そうした利害の相違がもたらす騒乱が組織を崩壊させるのを防ぎ、組織を全体目標に向けて動かしていくための手段でもあります。世界の経営学が積み重ねてきた理論研究・実証研究をもとに、社内政治の定義と研究史を、主にリーダーシップとマネジメントの観点から議論し、人が共同する場としての組織を持続可能にするための社内政治のとらえ方を考えます。
講演者:
木村琢磨 昭和女子大学 総合情報学部 データサイエンス学科 教授
<プロフィール>
博士(経済学、東京大学)。スタートアップでの勤務や組織・人事コンサルティング実務を経て、2018年より法政大学教授。2025年より昭和女子大学教授。主に経営学の分野で国際的に影響力のある学術誌に多数の論文を発表。2015年に International Journal of Management Reviews に掲載された論文は、社内政治研究における世界トップ10論文に選出。現在も国際的なジャーナルで研究成果の発信を継続中。専門は組織行動論と組織アナリティクス。
主な著書:『社内政治の科学 ― 経営学の研究成果』(日経BP)
■セミナー概要■
【日 時】 2026年7月3日(金) 18時30分〜20時00分
【方 法】 Zoom (Peatixでご登録いただいた方にメールでご案内します)
【主 催】 多摩大学サステナビリティ経営研究所
【問合せ】 多摩大学サステナビリティ経営研究所 事務局 info@tama-csm.org